コロナ禍で在宅中心の生活が始まって2年近くが経過した。オミクロン株が流行し、周辺にも感染者が出始めるなど、感染力の高さを実感している。終わりは見えてこず、自粛と我慢の生活はまだ続きそうだ。
単調な生活のなかで外出は大切だと実感し、できるだけ毎日、散歩をするようにしている。30分程度であっても効果は大きい。軽く汗をかいて気分がスッキリすると、一日を快適に過ごすことができる。気が散らず集中力が続く。「今日はいいか」などというなまけ心で屋内にとどまる生活を続けると体と心の状態がいつの間にか悪くなっている。夜明けが遅く曇天も多い冬場は特にその誘惑が強く注意が必要だ。
日曜日は数時間、散歩をするか自転車で遠出するようにしている。先週末はフランクフルト空港の南から西に広がる森までひとっ走りしてきた。
自然保護区になっている森林内の草地を、景色を眺めながらゆっくり進んでいくと、フラットなはずの草地の奥に突起のようなものが数多く見えた。普段は草以外に何もないはずの場所である。それが何であるのかを肉眼では確認できなかったが、もしやと思いカメラの倍率を最大の10倍にして撮影。画像を見ると期待通り鹿の集団がのんびり佇んでいた。イチョウの葉のようなオスの角の形から判断するとダマジカのようだ。
鹿の個体や母子を見かけることはこれまでもあった。だが、人目に付く草地で群れを見たのは初めてである。一人静かに興奮した。西日のなかを心地よい疲れと弾んだ気分でフランクフルトへと戻った。