薬剤給付管理大手の米Medco Health Solutionsと医薬品販売大手の独Celesioは21日、医療費の削減と治療の質の向上を同時に実現するサービスで提携すると発表した。蘭アムステルダムに折半出資の合弁会社Medco Celesio B.V.を設立。保健当局や健保組合、薬局、医療機関、患者に情報やサービスを提供し、医療効率の向上に寄与する意向だ。
\Medcoは米国で培ってきたコンサルティングやケアのノウハウを、Celesioは欧州市場の事業網とノウハウを合弁会社に持ち寄る。まずは年内にもドイツで業務を開始。その後は漸次、進出先を増やしていき、最終的には欧州連合（EU）27カ国とスイス、ノルウェーに活動地域を広げる。特に医療コストの77％を占める慢性疾患・難病患者に焦点を合わせる。
\両社の共同プレスリリースによると、処方された医薬品を捨ててしまったり、治療開始後1年以内に服用を放棄する患者は50％を超える。また最新の医療ガイドラインに沿わずに医薬品を処方する医師も多い。さらに、ドイツの統計では処方された医薬品を購入しないケースが全体の20％に上っている。こうした問題は医療効率の低下と医療費膨張につながっており、欧州全体ではそのコストが年2,000億～3,000億ユーロに達するという。
\2社は合弁会社を通して医療に携わる様々な機関や患者にサービスを提供し、こうした無駄の削減に貢献する考え。Medcoはすでに米国の糖尿病患者の1人当たりの医療コストを50％圧縮することに成功したという。2社はそれぞれのネット薬局子会社（Medco：Europa Apotheek Venlo、Celesio：DocMorris）も合弁会社のサービスに組み込む考えだ。
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