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2010/6/23

経済産業情報

アブダビの砂漠に淡水を備蓄=独官民プロジェクト

この記事の要約

ドイツの国際技術協力事業団(GTZ)がコンサルト会社の独Dornier Consultingと共同で、中東の砂漠に淡水を備蓄するプロジェクトを進めている。17日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。\ アラブ首 […]

ドイツの国際技術協力事業団(GTZ)がコンサルト会社の独Dornier Consultingと共同で、中東の砂漠に淡水を備蓄するプロジェクトを進めている。17日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

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アラブ首長国連邦・アブダビ首長国の地下水脈は9割が海水のため、飲料水など生活用水は淡水化して供給している。現在、6カ所にある淡水化設備を通して120万人の住民に飲水を供給しているが、貯蔵能力はわずか3日分しかなく、故障などで運転が48時間以上停止すると、危機的な状況に陥る。

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GTZとDornierはこの問題の解決に向け、1995年~2005年にアブダビの地下水脈を詳しく調査。わずかながら存在する淡水の地下水脈に淡水を貯蔵する技術を開発した。アブダビ政府は淡水備蓄施設の建設に5億ドルを拠出することを決定しており、プロジェクトは間もなくスタートする。

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備蓄施設は淡水の地下水脈があるリワオアシス周辺の砂漠に設置され、アブダビ第2の都市ミルファにある設備で淡水化された水を貯蔵する。淡水はパイプラインで砂漠に送られ、浸透設備を通って地下の帯水層に貯蔵される。12カ月のテスト稼働中に150万立方メートルが貯蔵される計画だ。将来は面積1万平方メートルの巨大な浸透設備を設置し、90日分の需要に相当する2,600万立方メートルを備蓄するという。

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アブダビに限らず、湾岸諸国では淡水の確保は大きな課題となっている。このため今回のプロジェクトに対する周辺国の関心は高い。

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