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2010/6/23

経済産業情報

中小企業向け技術革新支援が大きな効果

この記事の要約

全国に先駆けてバーデン・ヴュルテンベルク州(BW)が2年前に創設した技術革新支援制度が大きな成果を上げている。同制度は自前で研究・開発資金を捻出できない中小企業に最大7,500ユーロを交付するもので、「学術研究」とは無縁 […]

全国に先駆けてバーデン・ヴュルテンベルク州(BW)が2年前に創設した技術革新支援制度が大きな成果を上げている。同制度は自前で研究・開発資金を捻出できない中小企業に最大7,500ユーロを交付するもので、「学術研究」とは無縁だった会社と研究機関が結びつくなど、産学の連携・協力を促進する効果も生まれている。バイエルン州や連邦政府が同様の制度を導入するなど、全国に広がりをみせている。18日付『フランクフルター・アルゲマイネ』が報じた。

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BW州の支援制度「Innovationsgutscheine(=技術革新給付券=の意)」は、州内の従業員数100人以下、連結売上高2,000万ユーロ以下の企業と、これから会社を設立しようとしている起業家を対象としており、新製品・サービス開発に先立つ学術研究(市場調査、実現可能性調査など)に最大2,500ユーロ、製品化に向けた研究・開発(デザイン、試作品製作、品質調査など)には最大5,000ユーロを支給する。両方を同時に受けることも可能だ。

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申請は毎年可能だが、前年とは異なる要件・プロジェクトであることが条件。煩雑な手続きを避けるため、申し込みの際には研究の概要を簡単に説明するだけでよく、詳細な研究計画書を準備する必要はない。ただ、補助金の「もらい逃げ」を防止するために、開発プロジェクト終了後に報告レポート、支出明細とともに研究成果(製品・試作品)の提出が義務づけられる。支援を受けた起業家の場合、結果提出時までに会社が登記済みになっている必要がある。

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BW州に倣いこれまでにバイエルン州、ブランデンブルク州、ノルトライン・ヴェストファーレン州などの州と連邦政府が技術革新給付券を導入した。ザクセン州も7月に立ち上げる。給付金の額や対象企業の規模は州によってやや異なるものの、基本的なコンセプトに違いはない。

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