米General Motors(GM)の独子会社Opel(リュッセルスハイム)が欧州域外での販売に乗り出す計画だ。Opelのニック・ライリー社長が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにしたもので、計5カ国への進出を予定している。欧州外でのOpelブランド車の販売は親会社GMと競合するため、これまでは認められていなかった。
\ライリー社長によると、年内にも中国販売を開始する。このほかオーストラリアと南米2カ国にも市場参入する予定。残り1カ国は明らかにされていない。
\製品はすべて欧州から輸出する計画で、長期的に大きな需要が見込める中国についても現時点では現地生産を考えていない。中国向けモデルは現地の燃料の質が悪いことを踏まえ、エンジンを調整して出荷する。
\Opelは欧州販売が不振で、今年上半期は前年同期比5%減の52万6,000台に落ち込んだ。中国やオーストラリアへの輸出はこうした現状からの打開策の1つとみられる。
\欧州販売の改善に向けては先ごろ、走行距離が16万キロに達するまで修理の手間賃をすべて同社が引き受けるサービス「生涯保証」を開始した。今後はさらに、モデル数の拡大を通して底上げを図っていく。小型車「Corsa」よりも小さなモデルや、中型セダン「Insignia」のカブリオレモデル、パネルバン「Combo」の後継モデルの投入を予定している。
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