パスタ大手の伊Barillaから独投資会社Equity Capital Management(ECM)の傘下に移ったパン製造・販売大手Kamps(シュヴァルムタール)は今後、店内でパンを焼き上げて販売する新タイプの店舗「Kamps Backstube」を強化する。事業拡大を急ぐあまり経営状態の悪いパンチェーン店を買収し財務が悪化した過去の反省を踏まえ、市の中心街や主要駅、空港など集客力の高い場所を選んで出店する。8月27日付『フランクフルター・アルゲマイネ』が報じた。
\Kampsのベーカリーでは基本的に工場で完全焼成したパンを各店舗に搬送し販売する方式をとっている。プチパンなど一部のパンも半焼の状態で運ばれたものを店内で温め直してから販売している。新タイプの店舗は店内で生地を練り上げないのは従来型店と同じだが、なまの生地の状態で搬入し全て店内で焼き上げる。
\一部のパンを仕上げに焼き直すだけの店舗と異なり、本格的な大型オーブンが必要になるうえ、集客力の高い一等地を選んで出店すればテナント料も高くなる。販売価格も高めに設定せざるを得ない。また、スーパーやディスカウントスア内の焼きたてパンコーナーやセルフサービスの安売りベーカリーチェーンが勢力を伸ばすなど、業界では厳しい価格競争が行われている。
\こうしたなか、割高でもあえて店内で焼き上げるといういわばパン屋の原点に立ち返る戦略を打ち出したことについてKampsのシャルケ社長は、「パン屋の作る品質の高いパンに対し、消費者はディスカウントストアのパンより高い金を払う準備がある」と説明した。また、新タイプの店舗は従来店のほぼ4倍の売り上げがあることに加え、店内の喫茶コーナーで軽食として食べたりテイクアウトして食べる顧客が大半を占め、売上高利益率は8~10%と食品小売業の平均を大きく上回ると指摘した。
\新型店は全てフランチャイズ方式で、これまでに13店舗が開店した。Kampsは年内に20店、数年内に100店舗に拡大する計画だ。
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