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2010/9/1

経済産業情報

化学業界でM&A活発化、上期取引額63%増加

この記事の要約

米コンサルティング大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が8月23日発表した世界化学業界の合併・買収(M&A)取引に関するレポートによると、2010年1-6月期(上半期)のM&A件数(公表案 […]

米コンサルティング大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が8月23日発表した世界化学業界の合併・買収(M&A)取引に関するレポートによると、2010年1-6月期(上半期)のM&A件数(公表案件ベース)は522件で、前年同期から34件増加した。取引総額は63%増の310億米ドルと急拡大しており、景気回復に伴い業界再編の機運が再び高まっていることが分かる。

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特に増えているのは取引額10億米ドルを超える大型買収だ。09年の大型買収は上半期が1件、通期でも6件にとどまったが、10年は上半期だけで7件に達した。取引額の最高は米Air Products & ChemicalsによるAirgasの買収で70億2,000万米ドル。独化学大手BASFによる特殊化学メーカーCognis買収は、Cognisの債務と年金支払いの肩代わりも含めた総額で38億米ドルに達するものの、これらを除いた価格が8億6,000万米ドルだったため、大型案件にはカウントされていない。

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取引額の内訳は、企業戦略上の理由からM&Aを仕かける同業の戦略的投資家が269億ユーロ、プライベートエクイティなどの投資機関が35億ユーロだった。

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