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2010/9/1

経済産業情報

キャッシング手数料、金融3グループが料金透明化で合意

この記事の要約

独貯蓄銀行・振替銀行連合会(DSGV)と独信用協同組合連合会(BVR)、独民間銀行協会(BdB)の金融3団体は8月25日、それぞれの顧客が他グループの銀行のキャッシュディスペンサーで現金を引き出す際の手数料を透明化するこ […]

独貯蓄銀行・振替銀行連合会(DSGV)と独信用協同組合連合会(BVR)、独民間銀行協会(BdB)の金融3団体は8月25日、それぞれの顧客が他グループの銀行のキャッシュディスペンサーで現金を引き出す際の手数料を透明化することで合意した。これにより来年1月15日から、現金を引き出す際に手数料が表示されるようになる。手数料を割高と感じた消費者はその時点でキャッシングを止めることができる。

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一方、焦点となっていた「手数料の最高額の設定」については、DSGVとBVRの反対で合意に至らなかった。ただ、BdBは独自の最高額を1.95ユーロに設定。これまでの平均5ユーロ以上から大幅に引き下げた。

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金融コンサルティング会社FMH Finanzberatungが今年2月に発表した調査によると、他グループのキャッシュディスペンサーを利用した場合の手数料は平均5.64ユーロで、設置台数が多い貯蓄銀行グループや信用協同組合グループの中には、「他行のATMにただ乗りしている」ネットバンクへの対抗策として10ユーロや20ユーロ超を取り立てる銀行もある。

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この事態を重く見た独禁当局の連邦カルテル庁は手数料と実際のコストの関連を調べるモニター調査を3月に開始。金融業界に改善を促していた。同庁は今回の合意に一定の評価を下したものの、「手数料の低下にはつながらないと」と批判。消費者センター全国連合会も「合意内容は不十分」と不満を表明した。

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