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2010/9/8

総合 - ドイツ経済ニュース

欧州中銀が金利据え置き、短期資金の無制限供給継続

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は2日の定例政策理事会で、ユーロ圏16カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1.0%に据え置くことを決めた。金利据え置きは予想通りで16カ月連続。一方、ECBは今年と来年のユーロ圏の予想成長率を上 […]

欧州中央銀行(ECB)は2日の定例政策理事会で、ユーロ圏16カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1.0%に据え置くことを決めた。金利据え置きは予想通りで16カ月連続。一方、ECBは今年と来年のユーロ圏の予想成長率を上方修正したものの、景気の先行きは「なお不透明」として、金融市場への短期資金の無制限供給を1月中旬まで延長することも決めた。

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ユーロ圏では4-6月期に前期比1%の成長を記録。上げ幅は前の期の0.2%を大きく上回った。これを受けて2日公表されたECBの内部経済予測では、今年の予想成長率を1.6%とし、前回(6月)の1%から0.6ポイント上方修正。来年についても0.2%引き上げ、1.4%とした。

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ただ、4-6月期の成長率が上昇したのは、ユーロ安による輸出増を背景にしたドイツの大幅な成長、世界経済の回復という外的な要因に負うところが大きく、トリシェ総裁は理事会後の記者会見で「今後については(景気)回復が緩やかなペースになり、なお不透明感が広がっている」と述べ、先行きへの警戒感を緩めなかった。ギリシャなどの金融危機に伴う金融市場の混乱再発や、米国など世界経済の回復が鈍化してユーロ圏経済にも悪影響を及ぼしかねないとの懸念が背景にある。

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このためECBは同日、なお金融市場を下支えする必要があると判断し、1カ月物、1週間物資金を低利の固定金利で無制限に供給する措置を1月中旬まで継続することを決定。3カ月物資金の無制限供給についても年内は続けることも決めた。オランダ大手銀行INGのエコノミストは「今回の理事会および資金供給に関する決定は、ECBが依然として景気回復と金融システムの健全性を信用していないことを示している」と分析している。

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