Daimler(シュツットガルト)のバス事業が好調だ。1-7月期の販売台数は前年同期比25%増と大幅に拡大。2010年通期では世界市場シェアを前年の13%から経済危機前の08年に記録した15%まで回復させる意向だ。バス部門を統括するハルトムート・シック氏が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにした。
\販売が好調なのは特にブラジル、南アフリカ、トルコ市場で、1-6月期のブラジル販売は前年同期を56%上回った。南アはサッカー・ワールドカップ(W杯)の特需が大きい。
\今後は新興国のほかドイツをはじめとする成熟市場の開拓も強化していく。成熟市場に関してはサービス網と交換部品供給体制を改善すればバス販売が伸びることをフランスで実証。07年は19%にとどまった同国市場シェアを09年には30%へと引き上げたという。
\インド市場には参入したばかり。今後はまずサービス網を拡充し、2020年には世界販売に占める同国の割合を約20%へと引き上げる意向だ。ブラジル市場についても2014年のサッカーW杯、2016年のオリンピックを商機につなげるとしている。
\シック氏はインドや中国のバスメーカーについても言及。これらの企業は販売の前提となる密度の高いサービス網を国外に持っていないと指摘し、現時点で競合する恐れはないとの認識を示した。
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