米General Motors(GM)の独子会社Opel(リュッセルスハイム)のニック・ライリー社長は1日付『ハンデルスブラット』紙掲載のインタビューで、同社の経営再建計画を加速する方針を表明した。GMが2月に発表した計画では2011年の収支トントン、12年の黒字転換を予定していたが、ライリー社長は経営努力により黒字化目標を前倒しで達成する考えだ。
\昨年6月の経営破たんで国有化され、経営再建を進める親会社GMは先月、株式再上場を米証券取引委員会(SEC)に申請。自力の資金調達によって復活を目指す方針をアピールした。こうしたなか、欧州子会社の中で唯一赤字が続くOpelは資金調達の懸念材料になりかねない。先月就任したGMのダン・アカーソン新社長はOpelの再建加速に向け圧力を高めており、ライリー社長は「Opel再建を急いでほしいというGMの“要望”は実際には“命令”に他ならない」と言い切った。
\ライリー社長はインタビューで「Opelには危機管理意識が欠如していた」と述べてこれまでの問題点を指摘。CO2削減や品質に関連する議論でも方向性を誤ったほか、社員の間には何か問題が起こると他人のせいにして真剣に反省しない風潮があったと話した。
\今後の戦略としてはOpelのブランドイメージを回復して販売拡大を狙う。また、公的支援や売却をめぐる問題で政府の不興を買った反省を踏まえ、政府との関係改善に注力する。
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