スイスの製薬大手Roche(バーゼル)は3日、2011~12年の2年間を対象に包括的なコスト削減プログラムを実施すると発表した。欧米諸国を中心に医療コスト削減の動きが高まっているほか、新薬の特許が相次いで切れることに対応する狙いで、組織構造や事業プロセスの見直しを通して実現していく。具体策や雇用への影響については年末までに公表する予定だ。
\ゼヴェリン・シュヴァン最高経営責任者(CEO)は主力医薬品の特許が2010年前後に次々に切れるいわゆる「2010年問題」でRocheが受ける影響は競合に比べ小さいと前置きしたうえで、財務のフレキシビリティを保つには利益率を保つ必要があると指摘。開発投資の照準を画期的な薬効が期待でき企業の長期的な成功につながる医薬品に合わせる考えを示した。同社はまた、各国の医療保険機関が今後、医療効果の向上につながる診断テストや治療を重視するようになると予想しており、この判断を組織や事業の見直しに反映させるもようだ。
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