中国で事業展開する欧州企業が加盟する中国欧盟協会(EUCCC)は2日、外資系企業は中国の政府当局によって差別的な扱いを受けているとする年次報告書を発表した。事業認可手続きや公共調達などで地元企業に比べ不利に扱われていると指摘。また、規制緩和は遅々として進まないうえ、分野によっては市場参入障壁が以前より高まっているとして強い懸念を表明した。
\EUCCCが問題視しているのは、規制・法規の差別的な適用や知的財産権の保護が不十分なことだ。保険、電気通信、製薬などの分野では過度の規制によって外国企業の市場参入が実質的に阻まれ、自動車産業などでは厳しい出資制限が敷かれている。
\EUCCCが現地で事業展開する欧州企業を対象に実施した最新のアンケート調査では、外資に対する中国政府の公平性が過去2年間で低下したとの回答は39%に達した(グラフ参照)。EUCCCは、こうした不公平な扱いは国外企業による中国投資の抑制というマイナスの形で現れていると指摘。欧州連合(EU)加盟国企業による2008年の対外直接投資のうち、中国向けは全体の3%にとどまったとしている。
\EUCCCのボワッソンセン会頭は「我々は外国企業を優遇しろとは言わない。単に同等に扱ってほしいだけだ」と発言し、中国側の姿勢を批判した。同国が規制環境改善に本気で取り組まなければ、外国企業は中期的に中国から資本を引き上げ他国に移管するようになると訴えている。
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