食品や日用品の包装容量の規制撤廃を定めた欧州連合(EU)指令が昨年4月に国内法化されて以来、容量を減らして小売価格を据え置く隠れ値上げがドイツで横行している。数年前からこの種の値上げを調査しているハンブルク消費者センターはこのほど、150品以上の隠れ値上げ製品をネット上で公開。値上げを知らせる消費者からのメールは1日に最大10件に達するという。6日付『南ドイツ新聞』紙が報じた。
\同消費者センターの6日付プレス発表によると、Hakle社のトイレ用ウェットティッシュは1箱当たり1.99ユーロの価格に変化はないものの、中身は当初の70枚から2005年に49枚、今年8月には42枚へと減少。実質的に67%も値上げされた。米Procter & Gamble(P&G)のポットチップス「プリングルズ」の容量もこの4年で200グラムから165グラムにまで減少。スーパーでの小売価格は1.59ユーロから1.99に上がっており、実質の値上幅は52%に上る。また、Palmolive社は食器洗剤の容量を20%増量するととともに、価格を62%も引き上げた。
\EU指令は小売店に100グラムまたは1リットル単位の小売価格を表示するよう義務づけているが、表示してあっても文字が小さかったり、表示すること自体を忘れているケースも多く、消費者が隠れ値上げに気づくのはまれだ。消費者センターは対抗措置として、隠れ値上げに気づいた消費者のメールを参考に今後も新たに発覚した値上げをネット上で公表していく方針。「消費者の怒り」をメーカー側が真摯に受け止めることを期待しているという。
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