太陽電池大手の独Q-Cells(ビターフェルト・ヴォルフェン)が太陽光発電セルメーカーから、顧客のニーズに見合った総合的なソリューションを提供するシステムサプライヤーへと脱皮する意向だ。3月に就任したネディム・ツェン社長が経済紙『ハンデルスブラット』に対し明らかにした。
\同社はドイツの再生可能エネルギー促進策を追い風に業績を急速に拡大し、太陽光発電セルの世界最大手メーカーとなった。だが、低価格でセルを販売する中国勢の追い上げなどを受け昨年は業績が急速に悪化。売上高は前年比36%減の約8億ユーロに激減し、最終損益は13億5,600万ユーロの赤字に転落した。
\業績回復に向け同社は1年前に抜本的なリストラを開始、生産の一部を新設のマレーシア工場に移管するとともに、子会社を整理してきた。コスト削減が奏功し、同社製セルの価格は1年前に比べ25%低下したという。
\システムサプライヤー化に向けては今年、太陽光発電モジュールの生産を開始した。今後は戦略提携先企業と部品を共同開発するとともに、トータルソリューションを一手に提供していく。
\ドイツ本国では太陽光発電の助成額が引き下げられ始めたため、事業の国際化も推進する意向で、日本、イタリア、フランス、ギリシャ、チェコなど計15カ国を中核市場に選定した。
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