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2010/9/15

企業情報

Bayer CropScience AG―GM作物に期待―

この記事の要約

Bayerの農業科学部門Bayer CropScience(BCS、モンハイム)は9日の年次記者会見で、事業の先行きに自信を示した。特に遺伝子組み換え(GM)作物に期待をかけており、新品種開発で中国油脂作物研究所(OCR […]

Bayerの農業科学部門Bayer CropScience(BCS、モンハイム)は9日の年次記者会見で、事業の先行きに自信を示した。特に遺伝子組み換え(GM)作物に期待をかけており、新品種開発で中国油脂作物研究所(OCRI)と提携したことも明らかにした。

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BCSは2010年上半期決算で、売上高が前年同期比3.4%減の38億ユーロに縮小。営業利益(特殊要因を除いたEBITDAベース)は22.6%減の9億5,500万ユーロと大きく落ち込んだ。それにもかかわらず先行きを楽観するのは高品質の食品や飼料、植物繊維、再生可能エネルギー向け農作物の需要拡大が見込まれるため。

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新製品の開発が順調なことも自信の支えとなっている。2016年までに市場投入予定の新品種は18種類に上り、種苗部門の売上高は2018年までに3倍の14億ユーロに拡大すると見込む。欧州以外の市場でGM作物の需要が順調に拡大していることが大きい。

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同社は農薬についても2012年までに新製品を9種類発売、これら製品の売上高で年10億ユーロ以上を見込む。

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国別では特にブラジルを重視している。同国の種苗市場規模が世界最大の米国に匹敵するまでに成長し、今後も急速な拡大が見込まれるためだ。自動車燃料に使われるエタノール向けのサトウキビが大きな商機になると期待している。

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中国のOCRIとはGM菜種を共同開発する。糸状菌に対する耐性を持ち油分も多い品種を開発していく。

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