メディア大手の独Axel Springer（ベルリン）は9日夜、不動産ポータルサイトを運営する仏SeLoger.comに対する株式公開買い付け（TOB）計画を発表した。案内広告市場の重心が新聞などのプリントメディアからインターネットに急速に移っていることに対応する狙い。すでに創業者などからSeLoger.com株12.4％を計7,000万ユーロで譲り受けており、残りをTOBで取得する。
\TOB価格は9日の終値を13.3％上回る1株34ユーロで、SeLoger.comの時価を5億6,600万ユーロと評価した。創業者などから買い取った12.4％も取引額は1株34ユーロ。
\SeLoger.comは1992年の創業で、www.seloger.com やwww.immostreet.comなどの不動産ポータルを計6つ運営している。フランスの不動産業者で同社ポータルを利用するのはパリ圏で80％、その他の地域で55％と多く、アクセス数は月1,410万件、ユニークユーザー数は同310万人に上る。2009年売上高は7,300万ユーロ、営業利益（EBITDAベース）は3,730万ユーロで、売上高営業利益率は51.1％と高い。
\Springerは3年前にもフランスの女性向けポータル会社auFeminin.comを2億8,000万ユーロ強で買収した。SeLoger.comの取得は仏ネット業界における同社の2番目の大型買収となる。
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