高齢化が進むドイツでバリアフリー住宅の需要拡大が見込まれている。連邦建設省が発表した高齢者向け住宅に関する報告によると、国内の高齢者世帯は約1,100万戸あるものの、バリアフリー住宅はそのうちのわずか5%にすぎない。また、65歳以上の人口は2020年までに現在より20%増加する見通しで、高齢者向けの住宅建設は大きな商機となりそうだ。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が7日付で報じた。
\独立系不動産・住宅会社全国連盟(BFW)のヴァルター・ラッシュ会長によると、「住宅建設の重点はすでに省エネ住宅からバリアフリー住宅に移っている」。BFWと不動産コンサルティング会社Terranusが今年初めに建設会社、不動産管理会社、プロジェクト開発会社を対象に実施したアンケート調査でも82%が「高齢者向けの住宅改築が最も重要な事業」と回答、回答数2位の「介護住宅」(39%)を大きく上回った。
\政府もバリアフリー住宅の支援に乗り出しており、ドイツ復興金融公庫(KfW)は昨年4月から連邦建設省の委託を受け、バリアフリー住宅改装支援プログラムを開始した。手すりやエレベーターの取り付け、出入り口の拡張、洗面所や台所のリフォームなど改装プロジェクト向けに低利融資を提供、または改装コストの一部を負担している。これまでの支援規模はすでに3億ユーロを超え、4億ユーロ以上の投資効果があったという。
\BFWのラッシュ会長は、バリアフリー住宅の新築でも政府支援を仰ぎたい考えで、「住宅面積1平方メートル当たりの改築コストが1,300~2,000ユーロに上るのに対し、新築コストは最大でも1,500ユーロにとどまる」として新築のメリットをアピールしている。一般住宅の新築と比べてもコストは5%高で済むという。
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