IAA国際商用車国際見本市が23~30日の8日間、ハノーバーで開催される。63回目となる今回の出展者数は、過去2年にわたる世界的な商用車不況によるダメージを反映して前回(2008年)より約300社少ない1,748社に落ち込んだ一方、発表予定の新製品は272件と、過去最高を記録。独デュースブルク・エッセン大学の自動車リサーチセンター(CAR)は今年の世界商用車販売台数が金融危機発生以前(08年)の水準を上回るとの見通しを示しており、業界は市場回復に大きな期待を寄せる。
\今回のIAAでは電気自動車やハイブリッドカー、代替燃料車、空力技術など、環境負荷の低減に向けた技術に関心が集まっており、独商用車大手MANは空力性能に優れたセミトレーラーのコンセプトカー「Concept S」を発表する。空気抵抗を低減させるデザインによって、従来のセミトレーラーに比べ燃料消費量を25%削減できるという。
\メルセデスはアイドリングストップ機能やブレーキエネルギー回生システム、空冷式リチウムイオン電池などを搭載したハイブリッドトラック「Atego BlueTec Hybrid」の市販モデルを展示する。同社の広報担当者によると、従来型のトラックに比べ10~15%燃費が良い。
\仏シトロエンは商用パネルバン「Berlingo」の電気自動車バージョンを紹介する。同モデルは積載重量500kg、出力56馬力、航続距離120kmで、すでにフランスポストが1,000台の導入を決めたという。
\同見本市では出展者の国際化が進んでおり、ドイツ国外の企業が全体の56%を占める。国外からの参加で最も多いのはトルコ(136社)で、中国(117社)がこれに続く。
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