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2010/9/29

経済産業情報

独北部にCFKの一大研究開発拠点が誕生

この記事の要約

ドイツ北部ニーダーザクセン州のシュターデで21日、炭素繊維複合材(CFK)の研究開発センターCFK Nordの開所式が行われた。同センターでは航空機やトラック、鉄道車両に利用されるCFKの製造技術を研究開発、施設を利用す […]

ドイツ北部ニーダーザクセン州のシュターデで21日、炭素繊維複合材(CFK)の研究開発センターCFK Nordの開所式が行われた。同センターでは航空機やトラック、鉄道車両に利用されるCFKの製造技術を研究開発、施設を利用する研究機関や企業はオートメーション化による製造コストの削減や製造スピードの向上、新たな利用分野の開拓などを目指す。総工費は2,630万ユーロで、そのうち1,970万ユーロは州政府が拠出した。

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CFK Nordではフラウンホーファー研究所、ドイツ航空宇宙センター(DLR)といった国内有数の研究機関に加え、欧州航空機大手エアバスや米ダウ・ケミカル、DLRのスピンオフ企業Invent、ブレーメン大学の繊維研究所Bremenなどが本格的な研究に取り組む。DLRは施設内に開設した独自の軽量構造製造技術センター(ZLP)でCFKの製造技術の開発に取り組み、フラウンホーファー研究所はCFKの組み立て・接着分野で新たな技術を開発する方針だ。

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CFK関連企業を中心に95の企業、大学、研究機関で構成するネットワークCFK ValleyもCFK Nordの研究開発に参加する。加盟企業の半数以上はシュターデ近郊に事業拠点を構えおり、同ネットワークで中心的な役割を果たすエアバスは8月末にシュターデ工場で次世代中型旅客機「A350」の製造を開始した。機体の53%はCFKでできている。

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来年2月にはシュターデにCFKリサイクルセンターが誕生する。CFK製品の廃棄物を無酸素状態で燃焼して繊維を取り出し、再利用する計画だ。リサイクル以前の品質とほぼ変わらない繊維が再生できるという。

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