昨年末に戦略提携した独Volkswagen(VW、ヴォルフスブルク)とスズキが企業文化の相違の克服に取り組んでいる。スズキの鈴木俊宏専務が『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』に対し明らかにしたもので、同専務は「建設的な議論の応酬」を行っていると発言。まずは両社の溝を埋めていくことが課題だとの立場を示した。VWは他社買収を通して事業の拡大を進める方針で、伊Fiat傘下のAlfa Romeoの買収にも意欲を示しているが、スズキとの調整に時間がかかるようだと、急速な事業拡大戦略に黄色信号が灯る恐れもある。
\VWはスズキが持つ小型車分野の強みに強い関心を示しており、市場にもVWとスズキが小型オフロード車を共同生産するとの観測がある。鈴木専務はこれについて「現在は両社の文化の調整に努めている」と発言。「(共同生産は)まだ決定していない」ことを明らかにした。
\また、小型車分野で独Opelと行っている共同生産については「わが社はVWと提携したが、Opelが望むのであれば協議できる」と述べ、提携の継続に含みを残した。
\VWはスズキとインド市場開拓でも積極的に手を携える意向で、ヴィンターコルン社長は『ハンデルスブラット』紙に対し、同国販売台数を2018年までに100万台に拡大し、市場シェア20%を獲得するとの目標を明らかにした。
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