高級車大手の独Bayerische Motorenwerke(BMW、ミュンヘン)は9月29日、スウェーデンの同業Saabにエンジンを供給する契約に調印した。BMWは競合企業との部品共有化などを通してコストを削減する戦略を打ち出しており、今回の取引はその延長線上にある。2012年から納入を開始する。取引金額と供給規模は公表しないことで合意した。
\Saabに供給するのは最新の省エネ技術を投入した4気筒ガソリンエンジンで、スタートストップシステムなどを搭載している。生産は英ハムスホール工場で実施。Saabは同エンジンを新モデルに搭載する。モデルの詳細は明らかにされていない。
\BMWは環境規制の強化などを背景に新車開発コストが年々膨らんでいることを受け、部品共有化や共同調達を積極的に推し進めている。競合のVolkswagen(VW)グループなどに比べ事業規模が小さく、規模のメリットを活用するには他社と提携する以外に手だてがないためで、仏PSA Peugeot Citroenとは02年から、独Daimlerとも08年から協働している。自社製エンジンの供給では今年3月、特殊車両メーカーの米Carbon Motorsに警察車両向けの製品を12万基納入することで合意した。ヘルベルト・ディース取締役(開発担当)が『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』に明らかにしたところによると、PSAとはハイブリッド・電気自動車の分野でも提携交渉を進めている。
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