独高級車大手BMW（ミュンヘン）のノルベルト・ライトホーファー社長は9月29日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙掲載のインタビューで、2012年までにコストを60億ユーロ削減するとの目標を達成できると明言した。合理化を一段と推し進めるとともに収益性の向上に重点を置くことで「目標を上回る成果も可能」と自信をみせている。研究開発投資は削減しない。
\2010年通期の業績については、販売台数で140万台以上、売上高利益率（EBITベース）で5％以上を確保するとした7月の見通しを堅持した。「5シリーズ」「7シリーズ」「X1」など新モデルの販売が好調なことが大きい。ただ、同社最大の市場である米国で高い失業率が続いているほか、世界景気の二番底懸念が高まっていると指摘し、「上方修正する理由はない」と慎重な見方も示した。
\急拡大が続く中国市場については、2020年頃に北米を抜いて同社の最大の市場に成長すると見込んでいる。ただ、「中国が現在のペースで将来も成長するは限らない」として同国市場への過度の依存はリスクが高いと指摘。「欧州、アジア、南北アメリカでバランスの取れた成長を達成することが重要」との見解を示した。
\研究開発分野ではエレクトロモビリティ（電気自動車）、炭素繊維の活用を通した軽量化、燃費の向上、二酸化炭素（CO2）の排出量削減、フルハイブリッド車などの環境技術に注力する。
\今後の展望については、「都市部では必ずしもクルマを持つ必要はない。また必要に応じて大型車と小型車を使い分けたいと考える顧客が増えており、自動車に対するニーズは確実に変化してきている」と指摘したうえで、「そうした需要の変化に柔軟に対応することで、将来的には単なる自動車メーカーを超えた総合的なモビリティソリューションの提供者になる」とのヴィジョンを提示した。
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