独製薬大手Bayer(レバークーゼン)の避妊薬「Yasmin」の後発医薬品を競合企業が米国で販売することを差しとめるために同社が提訴していた係争で、ニューヨークの裁判所は9月末、同社の訴えを退ける判決を下した。Bayerは上訴できないため、被告企業に対し別の訴訟を起こし、販売を阻止する構えだ。
\後発薬の米国販売を計画しているのは米Watson PharmaceuticalsとNovartisの独子会社Sandozの2社で、すでに米食品医薬品局(FDA)から販売を承認されている。これに対しBayerは自社の特許を2社が侵害しているとして販売差し止めを求めていた。
\今回の敗訴を受け、Bayerは今後、2社を別の特許に対する侵害で提訴する意向だ。
\Bayerは同薬の販売をめぐって後発医薬品メーカーの米Barr Laboratoriesとも争っていたが、この係争では2008年に和解が成立した。BayerはBarrに製品を供給しBarrが稼いだ売り上げの一定比率を受け取っている。
\Bayerは昨年、Yasminの世界売上高で13億ユーロを確保した。後発医薬品が市販されると、売上減は避けられない見通し。
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