ドイツ国外で取得した職業資格の認定制度の大幅改善を狙った法案をアンネッテ・シャヴァン連邦教育相が18日、発表した。政府は国外の資格を迅速かつもれなく認定できる制度を導入することで技術者などの専門家が不足している問題に対処する方針を打ち出しており、12月の閣議で同法案を審議する予定だ。
\ドイツでは母国で医師や技術者の資格を持つ移民が介護師やタクシードライバーとして働いているといったケースが多い。国外の資格を認定する法的な枠組みが整っていないためで、資格が認定される場合でも複雑で長期にわたる手続きが行われる。連邦教育省によると、こうした法制不備の結果、自らが持つ資格をドイツで活かせない外国人は推定で約30万人に上る。
\政府は包括的な制度を構築することでこうした現状を改善。国外資格がドイツのどの資格に該当するかに関する情報を提供するデータバンクをインターネット上に立ち上げ、外国人、および資格認定に当たる商工会議所や手工業会議所に便宜を図る。認定に要する時間についても最大3カ月に短縮化する意向だ。また、国外で取得した資格が国内の資格水準に達していない場合は、該当者本人にドイツの資格の取得方法を教える。
\ブリューデルレ連邦経済相によると、専門的な人材不足によりドイツ経済が被った損失は昨年1年間だけで約150億ユーロに上った。
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