スイスの特殊化学大手Clariant(ムテンツ)は15日、2009年に開始した事業再編プログラム「Gano(Global Asset Network Optimization)」の仕上げとなる計画の第3弾を発表した。世界の8拠点を対象としたもので、スイス本国のライナハにある製造・研究開発拠点は閉鎖。同拠点にある繊維用化学品の中核機能をシンガポールに、パーパー化学品事業も近隣のムテンツにそれぞれ移管する。
\今回の計画ではライナハのほか、米マクヘンリー、カナダのデルタ、トルコのセファケイ工場も閉鎖するほか、静岡とインドのローハ工場で生産ラインの一部を停止する。また、中米グアテマラの首都グアテマラシティにある3工場を1カ所に集約する。さらに、フランス事業の中核拠点をナンテールからラモットに移管する方向で現在、交渉を進めている。これらの措置に伴い従業員を約100人削減、欧州ではおよそ70人を整理する。
\繊維用化学品事業の本拠地をシンガポールに移すのは、アジアが繊維製品の世界最大市場となっているためだ。同地に中核機能を置くことで顧客との関係を密接化し、市場の開拓を強化できると判断した。
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