再保険大手Muenchener Rueckの元受け子会社Ergo(デュッセルドルフ)が海賊・誘拐被害をカバーする保険事業を立ち上げる。海賊や誘拐事件が世界的に多発し、海運会社など企業のニーズが高まっていることに対応する。15日付『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』がクリスティアン・ディートリヒ社長などへの取材をもとに報じた。
\海賊・誘拐被害を対象とした保険では米Chubbや英Hiscoxが先行しており、両社はドイツ市場でもそうした商品を企業に提供している。Ergoは同分野に特化した独保険会社Hansekuranz Kontorと提携し、海賊・誘拐保険市場に参入。Chubb、Hiscoxなどを追撃する。
\独2社が提供する保険では、まず顧客企業にHansekuranzの専門家を派遣し被害予防の研修を実施するほか、誘拐・拿捕などが起きた場合に備えた危機管理体制も構築させる。Ergoは派遣された専門家がゴーサインを出した時点で保険を正式に引き受ける。
\海運会社に対してはまず、全顧客共通の基礎保険商品を販売する。この保険では海賊被害が多発するソマリア沖が適用外となるため、同海域を航行する船舶はその都度、追加保険に加入することになる。
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