スイスに本社を置く英国系のヘルスケア大手Alliance Boots（ツーク）が医薬品卸大手の独Anzagを買収する。Anzagの大株主である独医薬品卸大手3社から株式を譲り受け、出資比率を従来の30％から81.64％へと引き上げる。今回の買収によりAlliance Bootsは独市場に確固とした足場を獲得、欧州事業の強化戦略を推進していく。取引の成立には独禁当局の承認が必要となる。
\Anzag株を大株主のCelesioから14.15％、Phoenixから12.5％、Sanacorpから22.49％取得する。買い取り額は1株当たり26ユーロで、総額は1億4,300万ユーロ。今後はドイツの有価証券取得・買収法（WpUEG）の規定に基づき、他の株主に対し株式公開買い付け（TOB）を実施する。TOB価格は1株26～26.5ユーロとなる見通し。
\ドイツの医薬品卸市場規模は昨年240億ユーロで、その9割を5大大手が占めた。最大手はPhoenixで、Anzagは2位。3位以下はCelesio、Sanacorp、Planeggの順で続く。Alliance BootsはAnzagの買収を以前から狙っていたが、これまでは他の大株主が阻止してきた。同社は今回の買収により、欧州医薬品卸市場で最大手に浮上する。
\Alliance Bootsは世界20カ国以上に計3,250カ所の事業拠点を持ち、従業員数は11万5,000人に上る。2010年3月期の売上高は225億ポンド。Anzagは従業員数が3,600人で、昨年の売上高は40億ユーロだった。
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