工作機械大手の独Trumpf（ディッチンゲン）が21日発表した2010年6月通期決算の最終損益は7,000万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字（1,900万ユーロ）から悪化した。経済・金融危機の影響を受けた格好。ただ、受注はすでに増加に転じており、ニコラ・ライビンガーカムミュラー社長は危機前に記録した売り上げと利益の過去最高水準を2年後には取り戻せるとの見方を示した。
\受注高は14億8,800万ユーロで、前年から6.2％増加した。今年度の第1四半期（7～9月）に限ると、受注の増加幅は前年同期比で60％に達している。アジアの旺盛な需要が業績回復をけん引。特に中国は同社売上に占める割合が8～9％に上り、ドイツ、米国に次ぐ3番目に大きな市場となった。
\2010年6月期の売上高は13億4,000万ユーロで、前年から19.4％減少した。税引き前損益も5,200万ユーロの黒字から5,900万ユーロの赤字へと転落している。
\ライビンガーカムミュラー社長は同社が技術革新力の高さを武器に危機を乗り切ったと発言。売り上げに対する研究開発費の比率で業界平均の2倍の約10％を保っていることなどが奏功したとの見方を示した。
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