Ifo経済研究所が18日発表したレポートによると、独建設業界の就業者数は昨年、71万5,000人となり、ピーク時の1995年(143万4,000人)から半減した。東西ドイツ統一後の建設ラッシュが90年代半ばで終了し、業界が構造不況に陥ったことが背景にある。この間、従業員数10人未満の零細企業が増加した一方で、500人以上の大企業は激減した。(表参照)
\1990年の建設大手10社(完成工事高ベース)のうち2008年もトップテンにとどまった企業は4社に過ぎず、自力で生き残ったのはHochtiefとBilfinger Bergerの2社にとどまる。国外企業による買収で生き残ったのはStrabag AG、Zueblinなど5社で、Philipp Holzmannなど3社は倒産して市場から姿を消した。
\独建設業界の苦境は国際比較にも鮮明に現れている。国際的なコンサルティング会社デロイトによると、欧州建設大手50社のうち独企業はHochtiefとBilfinger Bergerの2社のみで、英国の13社、オランダの7社、スペインの6社に比べて少ない。Ifoの調査担当者は、スペインの建設大手ACSが仕かけているHochtiefのTOBが成立した場合、ドイツ勢は1社に減ってしまうと憂慮を示した。(「目で見るドイツの経済・社会」も参照)
\