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2010/11/3

総合 - ドイツ経済ニュース

銀行救済基金設置へ、法案が連邦議会通過

この記事の要約

深刻な経営危機に陥った銀行に救済資金を提供する基金の設立などを盛り込んだ金融規制法案が10月28日、連邦議会(下院)を通過した。今後、州の代表で構成される連邦参議院(上院)で審議され、2011年から施行される見通し。同基 […]

深刻な経営危機に陥った銀行に救済資金を提供する基金の設立などを盛り込んだ金融規制法案が10月28日、連邦議会(下院)を通過した。今後、州の代表で構成される連邦参議院(上院)で審議され、2011年から施行される見通し。同基金の資金を確保するため、金融機関からは毎年、積立金を徴収する。

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巨大な銀行が倒産すると金融システムが根幹から揺らぐ。このため2008年秋に深刻化した金融危機の影響で不動産金融大手のヒポ・リアル・エステート(HRE)が経営破たんの瀬戸際に追い込まれた際、国は税金を投入して直接救済に乗り出すことを余儀なくされた。

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今回の法案はこの反省を踏まえて作成されたもので、危機に陥った金融機関への支援を金融機関が積み立てる資金を通して実行。銀行の経営責任の付けを国や納税者が引き受けるという不条理を回避する。同基金は金融危機対策で導入された銀行支援制度に取って代わる予定だ。

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基金の規模は長期的に700億ユーロを計画している。各年の積立額は景気変動を踏まえ最大が13億ユーロ、最低が6億ユーロ。各銀行の負担額は事業のリスク度が高いほど大きくなる。主に民間銀行が負担することになるが、貯蓄銀行と信用組合も一部を引き受ける。

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同法案にはこのほか、公的支援を受けた銀行の役員・行員ボーナスを最大50万ユーロに制限することも盛り込まれている。

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