欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2010/11/3

企業情報

Eon AG―南欧事業で減損26億ユーロ―

この記事の要約

エネルギー大手の独Eon(デュッセルドルフ)は10月27日、スペイン、イタリア、フランスの南欧3カ国で総額26億ユーロの減損処理を実施することを明らかにした。燃料・電力価格の推移や3国の電力需要低迷を受け、2008年に西 […]

エネルギー大手の独Eon(デュッセルドルフ)は10月27日、スペイン、イタリア、フランスの南欧3カ国で総額26億ユーロの減損処理を実施することを明らかにした。燃料・電力価格の推移や3国の電力需要低迷を受け、2008年に西Endesaと伊Enelから取得した事業の収益性と設備稼働率が低下していることに対応する。Eonは09年初頭にも当該事業で18億ユーロの減損処理を行っており、今回の分と合わせると44億ユーロに達する。

\

今回の減損処理はのれん代で約11億ユーロ、その他の固定資産で約15億ユーロを計上する。3国では経済・金融危機の影響を受けて電力需要が落ち込んでいるため、設備稼働率と電力価格が低下している。一方で、発電用エネルギーの価格は上昇しており、Eonは収益見通しの引き下げを余儀なくされた格好だ。ただ、同社の事業にしめる南欧市場の比重は低いため、大きな足かせとはならない見通し。

\

Eonは08年、Endesaを買収しようとしたが抵抗を受けて失敗。その代わりとして、EndesaおよびEndesaの援軍に入ったEnelから南欧事業の一部を計120億ユーロで譲り受けた。

\

Eonは同日、米国子会社Eon USの電力・ガス事業を米同業PLLに76億ドル(約58億ユーロ)売却する取引が米連邦エネルギー規制委員会(FERC)から承認されたことも発表。11月1日付で事業を譲渡した。Eonは債務圧縮に向けた取り組みの一環として同売却に踏み切った。

\