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2010/11/3

経済産業情報

パソコンから受信料徴収は妥当=最高裁

この記事の要約

インターネットへの接続が可能なパソコンに放送受信料を課すことの是非をめぐる係争で、最高裁の連邦行政裁判所は10月27日、課金は妥当との判断を示した。判決理由で裁判官はテレビないしラジオを受信できる機器をすべて受信料の徴収 […]

インターネットへの接続が可能なパソコンに放送受信料を課すことの是非をめぐる係争で、最高裁の連邦行政裁判所は10月27日、課金は妥当との判断を示した。判決理由で裁判官はテレビないしラジオを受信できる機器をすべて受信料の徴収対象とすることを定めた州間協定(Rundfunkgebuehrenstaatsvertrag)の規定を指摘。そのうえで、同規定は基本法(憲法)の人権規定に違反するとした原告3人の訴えを棄却した。

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ドイツではラジオ、テレビなど従来型の受信装置に加え、放送を受信できるパソコンや携帯電話機、スマートフォンからも受信料を徴収するルールが2007年から導入された。これに対し原告の弁護士2人と学生1人は州間協定の規定が「アクセス可能な情報源から情報を得る」ことを認めた基本法5条1項、「働く場所を自由に選択する」ことを認めた同12条1項、および法の下の平等を明記した同3条1項に違反するとして裁判を起こした。

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これに対し連邦行政裁の裁判官は、受信料の徴収は基本権の侵害に当たるとしつつも、公共放送の財源を受信料で確保することを認めた基本法の別の規定はこれらの基本権に優越するとの判断を示した。

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同判決により、ネット接続機能を持つパソコンや携帯電話機は例外なく受信料の課金対象となることが法的に確定した。テレビやラジオの受信料をすでに払っている人がパソコンなどの受信料を別途請求されることはない。

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