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2010/11/10

総合 - ドイツ経済ニュース

税収見積もりを大幅引き上げ

この記事の要約

連邦財務省は4日、税収見積もり委員会がまとめた2010~12年の税収見通しを発表し、連邦(国)と地方を合わせた3年間の税収額が5月に示した予測を合わせて610億ユーロ上回るとの見通しを明らかにした。景気の急速な回復を受け […]

連邦財務省は4日、税収見積もり委員会がまとめた2010~12年の税収見通しを発表し、連邦(国)と地方を合わせた3年間の税収額が5月に示した予測を合わせて610億ユーロ上回るとの見通しを明らかにした。景気の急速な回復を受け、大幅に上方修正した。

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国全体の税収は今年5,260億ユーロとなり、5月予測の5,100億ユーロを160億ユーロ上回る見通し。2012年には税収が5,630億ユーロへと達し、金融・経済危機の影響が税収に反映される前の08年実績(5,610億ユーロ)を上回る見込みだ。2010年の連邦税収も2,160億ユーロから2,240億ユーロへと引き上げられた。

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これを受け政府与党内には財政再建の手綱を緩めるよう求める声も

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出てきた。昨年成立した政権協定に総額240億ユーロの減税方針が盛り込まれているためで、自由民主党(FDP)のブリューデルレ経済相は「中間層の税負担を軽減するための余地を作り出したい」と意欲を示した。

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これに対しメルケル首相(キリスト教民主同盟=CDU=)は財政再建路線を堅持する意向を表明。財政ひっぱくが続く州や市の首長も同様の姿勢を堅持しており、ラインラント・ファルツ州のベック首相(社会民主党=SPD=)は、税収の拡大分をすべて財政改善に投じる考えを示した。

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