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2010/11/17

総合 - ドイツ経済ニュース

2010年独成長率3.7%=5賢人委

この記事の要約

政府の経済諮問委員会(通称:5賢人委員会)は10日に提出した2010年版『経済鑑定書』のなかで、ドイツの今年の経済成長率が政府予測を0.3ポイント上回る3.7%に達するとの見方を示した。政府の構造改革や経済危機対策、雇用 […]

政府の経済諮問委員会(通称:5賢人委員会)は10日に提出した2010年版『経済鑑定書』のなかで、ドイツの今年の経済成長率が政府予測を0.3ポイント上回る3.7%に達するとの見方を示した。政府の構造改革や経済危機対策、雇用維持に向けた労使の協調姿勢が奏功し、他の先進国に先駆けて危機から脱したと指摘。経済成長は来年、鈍化するものの2.2%を保つとしている。独商工会議所連合会(DIHK)のヴァンスレーベン専務理事は同鑑定書を踏まえ、「ドイツ経済は欧州の問題児から模範生へと生まれ変わった」と明言した。

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5賢人委は外需と内需が両輪となって経済成長が進むと指摘。個人消費は雇用情勢の回復と賃金上昇見通しを背景に持続的に改善し、企業投資も歴史的な低金利が追い風になるとしている。輸出が大幅に落ち込む公算は低いという。

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経済のリスク要因に関しては◇米国や欧州での景気の弱含み◇金融危機の再来◇為替レートをめぐる国家間の争い――を挙げた。米国の金融緩和政策については、インフレ圧力を高めユーロ安と独輸出の減速につながると批判している。

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財政赤字については、ドイツ経済が経済危機から早期に立ち直ったことを受け大幅に膨らむ恐れが小さくなったと指摘した。財政赤字の対国内総生産(DGP)比率は来年2.4%となり、ユーロ加盟国に義務づけられた3%の上限枠を下回ると予想している。

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