欧州自動車最大手の独Volkswagen(VW、ヴォルフスブルク)がスウェーデンのトラック子会社Scaniaを通して独トラック大手MANを買収することを検討しているもようだ。週刊誌『シュピーゲル』が13日付で報じた。ScaniaとMANは15日付プレスリリースで、両社がシナジー効果を最大限に引き出すために交渉をしている事実を認めたものの、現時点では何らの結論も出ていないとして、買収交渉の有無を明らかにしなかった。
\VWはScaniaの資本46%強、議決権付き株式71%を保有するほか、MANにも30%弱を出資している。VWのピエヒ監査役会長は商用車分野で3社の協力関係を密接化し、最大10億ユーロのシナジー効果を引き出したい考えで、今春には同会長に圧力を受けScaniaとMANが提携交渉を開始した。
\今回の買収観測はその延長線上にあるもので、シュピーゲル誌によると、(1)VWがScaniaへの出資比率を現在の46%から75~80%に引き上げる(2)VW保有のMAN株30%弱をScaniaに売却する(3)ScaniaがMAN株を買い増して同社を買収する――の3段階を経て実現するというもの。この計画はあくまでも選択肢の1つに過ぎず、実現のハードルも多いという。
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