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2010/11/17

企業情報

Eon AG―欧州外市場の開拓強化へ―

この記事の要約

エネルギー大手の独Eon(デュッセルドルフ)は10日、収益力の強化に向けた新しい事業戦略を発表した。急速な成長が期待できる欧州域外の事業を大幅に増強するほか、市場環境の変化に対応して事業構造をスリム化することが柱。これに […]

エネルギー大手の独Eon(デュッセルドルフ)は10日、収益力の強化に向けた新しい事業戦略を発表した。急速な成長が期待できる欧州域外の事業を大幅に増強するほか、市場環境の変化に対応して事業構造をスリム化することが柱。これに伴い既存事業の選別も進め、2013年末までに総額150億ユーロ規模の資産を放出する意向だ。

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同社は欧州域外の事業が最終利益に占める割合を2015年までに25%へと高める計画で、特に米国、ロシアとそれ以外の2市場を重点的に開拓するとしている。米国については再生可能エネルギー事業を拡大し、ロシアでは新たなエネルギー施設を設置する。米ロ以外の2地域については具体名を明らかにしていないが、中国、インド、ブラジルが有力視されている。

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足元の欧州では高い収益力が期待できる分野に経営資源を集中していく。また、再生可能エネルギー事業を大幅に強化し、発電事業の二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減。2030年までに1990年比で50%削減するとした従来目標を10年前倒しの2020年に実現する意向だ。

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150億ユーロ規模の事業売却益は債務の圧縮と投資に充てる。

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同社は今後予想される利益の圧迫要因として◇ドイツで来年導入される核燃料税◇CO2排出権の全面有料化◇天然ガス市場の供給過多◇卸売事業の利益率低下――の4点を指摘。これらの影響で2011、12年の2年間は減配に踏み切る可能性があることを明らかにした。配当が2010年の1株当たり1.5ユーロ(見通し)から「1.3ユーロ以上」に下がる公算が高いとしている。

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