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2010/11/17

企業情報

Ifco Systems N.V.―豪企業が買収―

この記事の要約

欧州食品物流大手のIfco Systems(独プーラハ)は14日、投資会社のIsland International Investment Limited Partnership(英Apax子会社)と他の株主が保有するI […]

欧州食品物流大手のIfco Systems(独プーラハ)は14日、投資会社のIsland International Investment Limited Partnership(英Apax子会社)と他の株主が保有するIfco株合わせて95.9%をオーストラリアの複合企業Bramblesに売却すると発表した。取引金額は債務(2億2,700万ユーロ)を含めて9億2,300万ユーロ。Bramblesは今後、株式公開買い付け(TOB)を通して残りの株式を取得し、Ifcoの上場を廃止する意向だ。TOB価格は1株当たり13.50ユーロで、12日の終値を20%上回る。

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Ifcoは野菜や果物などの農産物の輸送に特化した物流会社。農家にプラスティック製のリターナブル輸送ケースを貸与し生産者から小売店までの輸送を全面的に引き受ける。顧客は主にスペイン、イタリア、オランダの農家で、同社は輸送のほか、空ケースの回収、洗浄、修理なども手がけている。

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メディア報道によると、欧州における果物・野菜用包装容器の年間使用量は年44億個。リターナブルケースはそのうちの8億6,800万個にとどまるものの、需要は急速に拡大している。Ifcoは果物・野菜用の包装容器全体に占めるシェアが7%、同リターナブルケースに占めるシェアが39%。売上高は毎年2ケタ台のスピードで伸びており、昨年は7億3,500万ドルを記録した。最終損益も2,000万ユーロの黒字と好調だ。

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Bramblesもフランス、ポルトガル、英国でリターナブルケースを利用した食品の物流事業を手がけている。Ifcoの買収後は、これら事業をIfcoに統合する。Ifcoは中国市場や飲料分野への進出を検討しており、これらの実現に向けBramblesの支援を受ける意向だ。

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