欧州連合(EU)の欧州委員会は9日、日本航空を含む航空12社が国際航空貨物で価格カルテルを結んでいたとして、うち11社に総額7億9,940万ユーロの制裁金支払いを命じたと発表した。4年間に及ぶ調査の結果、12社は燃料価格の上昇分を上乗せする「燃油特別付加運賃」(燃油サーチャージ)を一律にするなどして、値下げ競争が起きないようにしていたと断定。EU競争法違反で厳しい措置に踏み切った。
\制裁対象となったのは日本航空のほか、エールフランス─KLM、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)、スカンジナビア航空(SAS)、キャセイ・パシフィック航空、エア・カナダ、カンタス航空、シンガポール航空、ラン航空(チリ)、マーティンエアー(オランダ)、カーゴルックス航空(ルクセンブルク)。このほか独ルフトハンザ航空もカルテルに加わっていたが、最初に通報して調査に協力したため、制裁を全額免除された。
\欧州委によると、ルフトハンザを含む12社は、1999年12月から燃油サーチャージを同一水準に設定。カルテルはその後、安全対策に必要な費用を上乗せするセキュリティー・サーチャージを足並みをそろえて導入するにも至り、欧州委が調査に乗り出すまで6年間にわたって続いていたという。
\制裁額はエールフランス─KLMが約3億1,000万ユーロで最高。日本航空は3,570万ユーロの支払いを命じられた。
\欧州委は2006年2月に同カルテル問題での調査を開始。07年12月に関係各社に異議告知書を送付していた。当初は他にも全日本空輸(ANA)、アリタリア航空など11社が調査対象となっていたが、最終的に証拠不十分で制裁対象とはならなかった。今回の制裁措置に対して、エールフランス─KLMとSASが不服として、欧州司法裁判所に提訴する意向を表明している。
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