独立系コンサルティング大手の独Roland Berger(ミュンヘン)が、米監査法人大手Deloitteのコンサルティング部門と進めてきた合併交渉を打ち切ったことが21日、分かった。Roland Bergerの共同出資であるパートナーの大多数が前日の集会で合併への反対票を投じたため、破談となった格好。同社は今後、事業の国際化計画を抜本的に練り直すもようだ。
\合併交渉の事実は17日に明らかになったばかり。合併が実現すると、新会社Roland Berger Deloitte Strategy Konsultantsが誕生し、戦略コンサルティングの分野で米McKinseyに次ぐ世界2位となる見通しだった。
\Roland Bergerは事業の国際化戦略がうまく機能しておらず、特に米国や英国、アジアなど主要市場で存在感が薄い。一方、Deloitteは主力の監査部門が強みとなって全世界に事業網を張り巡らせており、Roland Bergerの経営陣はDeloitteと一体化することでグローバル化の壁をクリアし、ベンチマークのマッキンゼーを追撃できると判断していたようだ。
\Roland Bergerの売上高は約6億ユーロ、Deloitteのコンサルティング業務の売上高は約20億ドル。合計するとおよそ28億ドルとなり、Boston Consulting Groupを抜いて世界2位に浮上するはずだった。18日付『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』紙によると、両社は新会社のパートナー数を今後3年で250人増やして850人とし、売上高も45億ドルに拡大する計画だったという。
\Roland Bergerのパートナーは20日の集会で、1967年の創業以来保ってきた同社の独立性を維持することを選択した。合併交渉を打ち切ったため、今後は事業のグローバル化に向けた資金を自力で捻出しなければならない。マルティン・ヴィッティヒ社長は経済紙『ハンデルスブラット』に対し、今後3年で計1億ユーロを捻出し、コンサルタント数を約2倍に増やす考えを明らかにした。メディア報道によると、創業者のローラント・ベルガー氏は集会で、約5,000万ユーロの分担を確約したという。
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