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2010/12/1

企業情報

Magna International Inc.―完成車メーカー化路線から決別―

この記事の要約

カナダ・オーストリア系の自動車部品大手Magna(オーロラ)は完成車市場に本格進出するというこれまでの経営路線から明確に決別した。顧客である自動車メーカーと競合するのは好ましくないと判断したためで、自動車事業はこれまで通 […]

カナダ・オーストリア系の自動車部品大手Magna(オーロラ)は完成車市場に本格進出するというこれまでの経営路線から明確に決別した。顧客である自動車メーカーと競合するのは好ましくないと判断したためで、自動車事業はこれまで通り受託生産に専念する。同社のドナルド・ウォーカー社長が各種メディアに対し明らかにした。

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Magnaはこれまで、自動車メーカーの買収を通して自動車事業に本格進出することを計画。2007年に米Chrysler、09年にも独Opelの買収を手がけたが、ともに失敗に終わった。Opel買収が実現しかかった際には顧客の自動車大手BMW、Volkswagen(VW)から取引を見直すことを示唆されており、自動車メーカー化路線の継続はリスクが大きいと判断したようだ。

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自動車部品分野では買収や新興国への進出強化を通して事業を拡張していく。同社は新興国への進出で競合のBoschやデンソーに後れを取っており、売り上げに占める新興国事業の割合は5%未満にとどまる。今後は特にロシア、インド、ブラジル事業を急速に拡大する方針で、ブラジルでは現地シートメーカーResil Minasを買収する。ロシアには今年だけで3工場を開設し、拠点数を5つに拡大した。中国にはすでに工場15カ所、開発センター7カ所を持つ。

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同社はイタリアのデザイン会社Pininfarinaの買収を狙っているとみられている。ウォーカー社長はこれについては「ノーコメントだ」として、見解を控えた。

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