ドイツのノルベルト・レットゲン環境相は6日、旧東ドイツの核廃棄物をロシアに移送する計画を当面許可しないと発表した。輸送先となる露マヤーク再処理工場の安全性に疑問を持っているためで、懸念が払しょくされるまでは許可できないとしている。
\輸送計画の対象となっているのはドレスデンのロッセンドルフ地区にあった原子力中央研究所(ZfK、現ドレスデン・ロッテンドルフ研究センター)で使用された核燃料で、現在は独西部のアーハウス中間貯蔵施設で管理されている。総量は951本。両国はこれをマヤーク再処理施設で再び核燃料へと加工し、ロシアの原子力発電所で利用する方向で協議を進めてきた。
\ドイツの当局ではすでに独連邦放射線防御庁が国内輸送に許可を出している。レットゲン環境相は許可を見送った理由について、マヤークの当該施設は現在稼働しておらず、安全性について評価を下せないと説明した。
\ロシアは旧ソ連が国外で実施した核研究の燃料廃棄物を回収することを米国、国際原子力機関(IAEA)との協定で取り決めており、ドイツはこの協定に基づきロシアへの移送を計画している。すでにポーランド、ハンガリー、ウズベキスタン、ベトナム、チリなどは同プログラムの枠内で核燃料をロシアに輸送した。
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