冬用タイヤの供給不足懸念が浮上してきた。道路交通政令(StVZO)の改正を受けて今月4日から冬用タイヤの装着が義務づけられたうえ、先月末の寒波到来で需要がにわかに拡大したためだ。独タイヤ販売事業者連盟(BRV)のペーター・ヒュルツァー会長は、降雪や寒波がさらに1~2週間続くとタイヤが品薄になるとの見方を示した。6日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
\BRVは数週間前まで、「今シーズン用の在庫は十分」との見解を示していた。積雪続きで供給不足が生じた昨冬を踏まえて、タイヤメーカーが今シーズン向けの供給量を昨年の2割増しの2,500万本に増やしたほか、11月の時点の冬用タイヤ装着率が88%に上っていたためで、「冬タイヤに履き替える必要のある車は最大500万台」と見積もっていた。ただ、StVZO改正と寒波の到来が重なったことでタイヤ需要が一気に膨れ上がったことは「想定外だった」という。
\ヒュルツァー会長によると、メーカーやタイヤ卸業者は現在ほぼ在庫切れの状態で、BRVには入荷が遅れているとの報告が加盟小売店から数多く届いている。一部の卸業者が値上げを見越した売り惜しみをしている可能性もあるという。タイヤメーカーはすでに来季用夏タイヤの生産に入っており、実際に需給がひっ迫してもメーカーは対応できないようだ。
\同会長は「現在品切れの店でも10日前後で再入荷するチャンスはある」として、ドライバーに対しディーラーに問い合わせることを呼びかけている。
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