公的健保組合のBarmer GEKは11月30日、高齢加入者の認知症と介護に関する実態調査レポートを発表した。それによると、2009年に死亡した60歳以上の加入者(以下:高齢者)のうち認知症を患っていたのは男性の29%、女性の47%に上った。認知症と診断された高齢者のほとんどはほぼ同時に要介護認定を受けており、介護を必要としなかったのは10人に1人に過ぎなかった。
\ドイツ全体の認知症患者は2009年には120万人(人口の1.5%)。今後は高齢化社会の進行にともない、2030年に180万人(同2.3%)、2060年には250万人(同3.8%)へと増加する見通し。
\認知症の患者は認知症以外の理由で要介護になった場合に比べ介護ランクが高い。介護度III(=基準介護時間が1日5時間以上で、夜間を含め24時間体制の介護が必要)に認定された人は高齢者全体で12%にとどまったのに対し、認知症患者では20%に達した。
\施設での介護を受ける割合も認知症患者の方が高く、要介護者全体の28%に対し、認知症患者では年齢によって40~70%に上った。
\認知症患者の介護ランクの高さや施設によるケアは介護費用を押し上げる要因となっており、認知症患者の1カ月当たり介護保険支出額は非認知症高齢者に比べ800ユーロ高かった。
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