固定電話機メーカーGigaset(ミュンヘン)の売却をめぐる元親会社Siemensと売却先の投資会社ARQUESの係争が決着した。ARQUESは10日のプレスリリースで両社が和解したことを明らかにした。
\GigasetはSiemensの固定電話機部門を前身としており、ARQUESは2008年10月に過半数資本を4,500万ユーロで買収した。出資比率はARQUESが80.2%で、残り19.8%はシーメンスが保有している。
\シーメンスとARQUESの関係はARQUESが09年10月に予定していた買収金額の初回支払い1,500万ユーロと、Gigasetへの資本注入1,960万ユーロを履行しなかったため悪化。泥沼の係争へと発展した。
\経済紙『ハンデルスブラット』によると、ARQUESは今回の合意でGigasetに4,000万ユーロ以上の資金を注入したほか、ドイツ国内の従業員(1,300人)の雇用を2013年末まで維持することを約束。Siemensは債権1,250万ユーロを放棄したもようだ。Siemensは2005年に台湾のBenQに売却した携帯電話機部門が翌06年に倒産し企業イメージに傷がついた経緯があり、今回の合意ではこうした問題が起こらないよう配慮したという。
\ARQUESは今夏の時点で、Gigasetを第3者に転売する意向を示していたが、その後、役員の大きな入れ替えがあり経営方針を転換した。年内にもSiemensが持つGigaset株の残り19.8%を譲り受けて完全子会社化する予定。現時点で他社に売却する考えはないとしている。
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