電機大手の独Siemens(ミュンヘン)は14日、ITサービス子会社SISを仏ソフトウエア大手Atos Originに売却することで合意したと発表した。ITサービスは不採算の非中核事業で、Siemensは10月1日付で分社化していた。売却総額は8億5,000万ユーロ。取引は独禁当局の承認を経て来年7月に成立する見通しという。
\Siemensは今回の取引で、Atosから現金1億8,600万ユーロのほか、Atosの新株4億1,400万ユーロ、同5年物転換社債2億5,000万ユーロを受け取る。Atosへの出資比率は15%となり、同比率を最低5年間、維持する。ITサービス分野で米IBM、独国防軍と共同運営するコンソーシアムHerkules(国防軍の通信ネットワーク近代化プロジェクト)は今回の取引に含まれない。
\AtosはSISの買収により、売上高を87億ユーロ、従業員数を7万8,500人に拡大し、欧州ITサービス市場でIBMに次ぐ2位に浮上する。クラウドコンピューティング、システム統合、スマートグリッド向けITソリューション、産業ソフトの分野で競争力を大幅に強化できると見込んでいる。Siemensからは今後7年間、総額55億ユーロのアウトソーシングを引き受けることで合意した。
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