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2010/12/22

企業情報

Deutsche Telekom AG―ポーランドPTC買収へ、11年越しの係争に幕―

この記事の要約

電気通信大手のDeutsche Telekom(ボン)は15日、ポーランド同業Polska Telefonia Cyfrowa(PTC)の株式51%を仏メディア・通信大手のVivendiとポーランドの公益会社Elektr […]

電気通信大手のDeutsche Telekom(ボン)は15日、ポーランド同業Polska Telefonia Cyfrowa(PTC)の株式51%を仏メディア・通信大手のVivendiとポーランドの公益会社Elektrimから譲り受けることで合意したと発表した。これにより11年に及んだVivendi、Elektrimとの係争が終了。PTCの完全子会社化を実現する。

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PTCにはDeutsche Telekomが49%、Elektrimが51%を出資していたが、Elektrimが1999年、Vivendiと共に設立した持ち株会社Elekrim Telekomunikacja(ET)にPTC株の48%を売却したことで係争となった。VivendiとElektrimはETに保有権があると主張。これに対しDeutsche Telekomは「ETへの売却は優先的な買い取り権に関する合意に反しており違法」として提訴し、ウィーン仲裁裁判所は2004年にDeutsche TelekomにPTC株の取得権を認める判断を示した。

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Deutsche Telekomはこれを受け2006年に優先的買い取り権を行使、Elektrimに頭金7億ユーロを支払ったが、これにVivendiが異議をはさんだため、争いが泥沼化していた。今回の合意ではElektrimとVivendiに対し新たに14億ユーロを支払い、2社が持つ計51%を取得することが取り決められた。同51%の獲得にテレコムが投じる費用は頭金も含めて21億ユーロに上る。Vivendiは現在、他社買収を計画中で資金が必要なため、Deutsche Telekomとの和解に応じたもようだ。

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PTCはポーランド移動通信市場でシェア29%を持ち(2010年上半期)、PTK Centertel(同31%)、Polkomtel(30%)と首位争いを繰り広げている。Deutsche TelekomはPTCの完全子会社化を受け、これまで控えてきたPTC通信網への投資を実施する意向だ。

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