航空大手の独Lufthansa(フランクフルト)は15日、機材の新しい内装を公開した。座席数をこれまでよりも増やしたにもかかわらず、足元の広さを拡大したのが特徴。定員を増やすことでフライトの収益性を高めると同時に乗客の快適性も向上させ、競争力を高める狙いだ。欧州域内線に導入する。
\新内装では前席と後席との距離(シートピッチ)が従来の平均80.2センチメートルから76.5センチへと3.7センチ縮小された。これにより座席数を「A320」で現在の150から168へと拡大。同社は12機分に相当する座席数を機材の新規発注なしに獲得する。
\その一方で、シートの腰が当たる部分と前席の背もたれ部分の距離は従来の57.1センチから61.3セントへと4.2センチ広げられた。背もたれの厚さを大幅に薄くしたほか、シートポケットを折りたたみテーブルの背面に設置することで空間を確保した。シート重量も従来に比べ3分の1ほど軽くなっているため、機材重量は最大500キロ低下。燃費の向上につながる。
\新シートは独メーカーRecaroが製造。Lufthansaが保有する170機に計3万2,000個を納入する。シートはすべて革張りで、高級感も演出されている。
\新内装の投資額は1億7,000万ユーロ。経営陣は増収と収益力上昇の効果で十二分に元を取れるとしている。
\Lufthansaに対しては近年、コストを削減するために機内サービスの質を落としているとの批判がある。同社はこれに対応するため座席の足回り空間を広げたほか、短距離路線で廃止していた軽食サービスを14年ぶりに復活。2時間以上の路線では温かい料理を再導入する。
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