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2010/12/22

経済産業情報

カーボン製品メーカーをDBなどが提訴、カルテルの損賠請求へ

この記事の要約

ドイツ鉄道(DB)は20日、欧州の他の鉄道会社と共同でカーボン製品メーカーをロンドンのカルテル裁判所に提訴したと発表した。カルテルのしわ寄せで不当に高額な製品を購入させられたとして、損害賠償を求めている。各社の請求額は合 […]

ドイツ鉄道(DB)は20日、欧州の他の鉄道会社と共同でカーボン製品メーカーをロンドンのカルテル裁判所に提訴したと発表した。カルテルのしわ寄せで不当に高額な製品を購入させられたとして、損害賠償を求めている。各社の請求額は合わせて1億ユーロのケタ台に上る。

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DBなどに訴えられたのはドイツのSGLカーボンとシュンク、フランスのカーボン・ロレーヌ、オーストリアのホフマン、英国のモルガン・クルーシブルの計5社。5社は電気モーターなどに使用されるカーボン・グラファイト製品の販売で独占的地位を利用し、1988年から99年にかけて販売価格引き上げや顧客の割り当て、生産量の調整などを取り決めていた。欧州連合(EU)欧州委員会の課徴金支払い命令が欧州司法裁判所の09年の判決で確定したため、鉄道会社は損賠訴訟に踏み切った。

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SGLは今回の提訴について、ドイツではすでに時効が成立しており英国での訴訟には法的な問題があると指摘。また仮に賠償支払い命令が下されてもカルテルに関与した事業部門の規模が小さいため、影響は軽微だとの見方を示した。

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