欧州製紙2位のフィンランド企業UPM Kymmene(ヘルシンキ)は12月21日、同国の同業Myllykoskiを買収することで合意したと発表した。欧州の製紙業界は原料高騰と紙需要の減少に苦しんでおり、今回の買収は業界再編の引き金になる可能性もある。成約額は約9億ユーロ。取引終了は2011年第2四半期を見込む。
\Myllykoskiはフィンランドとドイツ、米国で生産しており、年産能力280万トン、09年売上高は12億ユーロ。従業員2,600人のうち1,900人はドイツで勤務している。同国の生産拠点はアルプブルック、エトリンゲン、ヒュルト、プラットリングの計4カ所にある。
\UPMは世界15カ国に計2万3,000人の従業員を持ち、09年は77億ユーロを売り上げた。年産能力は1,000万トン。Myllykoskiの買収後は不採算工場の閉鎖や生産能力向上に向けた投資などを通してコストを年1億ユーロ以上圧縮する意向だ。
\製紙業界は新聞などのデジタル化の影響で需要が減少し、過剰生産能力を抱え込んでいる。このため買収などの憶測は絶えず、2010年9月には大手のStora Enso、Holmen、Norske Skogが合併するとの観測も流れた。
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